第10回人権塾を開く

第10回人権塾が名古屋市のウインクあいちで2月22日に開催した。今回は節目の記念すべき塾とあって、講師陣は今日的課題に対応した顔ぶれです。第一講座は「ネットと人権」倉橋耕平氏、第二講座は「人権と政治」渡辺治氏、第三講座は「差別と差別意識」牧野広義氏の三氏があたった。この塾の特徴は、毎回受講者が溢れてお断りせざるを得ない盛況であること、毎回の講座で人権と関連した原理的解明があり、その上で、時の状況に対して具体的テーマの講座を提供してきたことです。

第9回「人権塾」講座を開講。                    政治・女性・子どもの人権を学ぶ(2018年11月3日)

 11月3日(土)ウインクあいちにおいて第9回「人権塾」を開講しました。参加者は県内各地から40名が参加。

 今回の内容は、「現在の人権状況を評価する~政治状況を踏まえて~」と題して、京都橘大学碓井敏正名誉教授、「女性の生きにくさを考える~女性における人権のいま~」と題して、愛知淑徳大学石田好江名誉教授、「学校における子どもの安心・安全~組体操・校則・部活動のリスクを見える化する~」と題して、名古屋大学内田良准教授より講義がありました。

第8回「人権塾」講座を開講しました(2017年6月17日)

 6月17日(土)ウインクあいちを会場に、第8回「人権塾」講座を開催し、県内から会場満席となる80名が参加しました。今回の講座は渡辺治一橋大学名誉教授(憲法施行70年・日本国憲法の力と可能性)、丹羽徹龍谷大学教授(治安立法と人権問題)、前原清隆(子どもの人権)の3名が講師として、それぞれ90分にわたり講義をしていただき、質疑応答も時間が足らないくらい、参加者の人権問題に対する意識の高さを感じた講座となりました。

第7回「人権塾」1回目を開催(2016年11月13日)

 

地域人権ネットは、11月13日(日)にウインクあいちを会場に、第7回「人権塾」講座(1日目)を開催し、50人が参加しました。

 

 丹波正史地域人権ネット代表者は、「人権を学び、県内で人権問題に取り組む人たちを育てていく目的で開催している」と主催者挨拶がありました。

 

 第一講座は、「人権問題と社会運動」と題して、碓井敏正京都橘大学名誉教授より講演があり、「いまの日本は、ゼロ経済成長と配分問題の深刻化が顕著であり、今後ますますパイを争う戦いが厳しくなる。格差が広がり貧困層が増える」と社会状況の説明があり、「運動組織のあり方が変化してきた。旧来の社会運動は、体制変革を主導するのは政党であったのに対し、現在は運動課題を当事者が独自に主張するようになった」とフラットなネットワーク型になってきたと社会運動について分析しました。

 

 第二講座は、「表現の自由とメディア」と題して、砂川浩慶立教大学教授の講演があり、自民党改憲草案について、「表現の自由を定めた21条では、公益・公益の秩序を害する目的での活動・結社が認められないとなっている。これでは、国家権力が判断することとなり、表現の自由がなくなる」と説明。また「安倍政権はメディアに対して厳しい対応をしており行政指導も多い」と指摘し、「言論・表現の自由は、弱い立場の人たちにあるべき」と締めくくりました。

 

 第3講座は、「中東情勢とテロ問題」と題して、清水学国際問題研究家の講演があり、「現在の中東世界が直面している問題として、多くの国で自国の国境が守れなくなっている」と状況が悪化していることを説明。テロリストの人間像は「比較的裕福で教育水準も高い家庭の子が多い。貧しさだけでは解決できない問題がある」と若者が持つ将来に対する不安と殺那的ニヒリズムが拡大していると話し、今後の日本がとるべき道など考えさせられるものがありました。

 

第6回「人権塾講座」を開催(2015年12月13日)

 

 地域人権ネット主催の、第6回人権塾講座が、12月13日名古屋市中村区のウインクあいちを会場に開催され、県内各地から会場満席になる90名が参加しました。

 

 講座では、主催者を代表して、丹波正史地域人権ネット代表が「人権」「平和」「民主主義」の3つのキーワードを皆さんと考えてゆきたいと開会の挨拶をしました。

 

 第一講座は、「岐路に立つ日本の立憲主義・民主主義・平和主義」と題して、新妻義輔元朝日新聞大阪編集局長が講演。新妻氏は安保法制がなぜ「戦争法」と言われるか、それは歴代政権が「憲法9条のもとでは集団的自衛権の行使ができない」としてきた憲法解釈を一片の閣議決定でくつがえし、日本が攻撃されなくとも、他国が攻撃された時に、その攻撃国に日本が武力行使できる集団的自衛権を道に開き、「戦争できない国」から「できる国」にする180度の方向転換による。これに対して国民の反対運動が今までになく盛り上がり、若者も含め大きな流れとなり「戦後かつてない新しい国民運動」が誕生した。これは国民の一人一人が、自分の頭で考え、自分の言葉で語り、自分の足で行動しているところに特徴があると語りました。

 

 第二講座は、「沖縄問題と人権」と題して、報道写真家の石川文洋氏が講演。石川氏は自身が撮影した写真をスクリーンに紹介しながら、「辺野古は普天間の代替施設といいながら、実際には巨大な米軍基地を作ろうとしている。そうなると標的になる可能性が高くなる」と指摘しました。「戦争はいかに多くの人を殺すかを競いあうもの。戦争は多くの命と、未来の命をも奪っていく」と戦争を取材し、世界に発信してきた氏の大変貴重な体験を交えた講演でした。

 

 第三講演は、「民主主義論」と題して、丹羽徹龍谷大学法学部教授より講演があり、「民主主義は政治のやり方であって、自分たちを代表して政治をする人をみんなで選挙することだと多くの人は答えるが、各人が主体的に考え、行動することも民主主義だと思う」と強調しました。また、「民主主義は、結果として多数に支配されるが、多数決で決めていいことと、いけないことを憲法で定めておくといい。」と提起し、「特に人権は多数決で決めてはいけない」と話されました。

 

この人権塾は、日本国憲法に沿い、人間らしい生活を営むことの出来る社会を、地域を基盤に築いてゆくために毎年開催しています。次回の人権塾も、さらに講師陣の充実をはかり、来年に向けて日程と内容を検討していくことにしています。

 

人権塾の内容紹介
日本での著名な学者や研究者を招聘し、人権問題の学習を通じて、地域社会での人権の守り手を養成するための講座形式による熟です。
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