「人権と介護」研修会

第12回「人権と介護」研修会を開く(2019年2月23日)

 2月23日にウインクあいちを会場に、第12回「人権と介護」研修会を開き県内の介護施設所長や職員ら50名が参加しました。第一講座は「介護施設の雇用確保・定着をどう図るか」と題して、五十川将史ウエルズ社会保険労務士事務所代表が講義。五十川氏はハローワークでの勤務経験を活かした日本で唯一のハローワーク求人専門の社会保険労務士です。ハローワークに提出する求人票の書き方を中心に、できるだけコストをかけない採用のコツを教えていただきました。第二講座は「いま地域はどうなっているか-介護保険とかかわって-」と題して小川栄二立命館大学教授が講義。高齢者の貧困の要因について、また今後の方向性と課題について、「介護職員の労働条件・環境を整備しきちんとした人材を育てる仕組みが必要」と話されました。

第11回「人権と介護」研修会を開催(2017年12月7日・14日)

 12月7日、14日の2日間、ウインクあいちを会場に、第11回「人権と介護」研修会を開催し、介護事業所経営者、ケアマネジャー、ヘルパーなど計75名が参加。

 第一講義は、「介護事業現場におけるセクハラ、パワハラを無くす啓発」(名古屋北法律事務所ちくさ事務所伊藤勤也弁護士)、第二講義は、「介護現場での適切な接遇」(日本接遇協会阿部ふみ理事長)、第三講義は、「介護事業における人材採用とリテンションの実践的施策」(株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ松田吉時副社長)の3名が講演し、介護に携わる施設職員の人権意識向上のために学ぶことができました。

第10回「人権と介護」研修会を開催(2017年3月21日)

 3月21日にウィルあいちを会場に、第10回「人権と介護」研修会を開催し、県内の介護事業所から、ケアマネジャーを中心に40名が参加しました。

 第一講義は「高齢者の間でどう貧困が広がっているか」と題して、寺久保光良元山梨県立大学教授が講演。第二講義は「地域社会での介護と医療のネットワーク」と題して、鈴木勉佛教大学教授が講演しました。また、特別企画として鳥取大学浦上教授が開発した「物忘れタッチパネル式機器」の体験会を開き、多くの方が参加していました。

 

第9回「人権と介護」研修会開催(2016年3月11日)

 地域人権ネット主催の、第9回「人権と介護」研修会が3月11日「ウィルあいち」を会場に開催され、尾張部を始め県内各地の介護施設から、看護師や介護職員40名余の参加がありました。

 主催者を代表して丹波正史地域人権ネット代表が「在宅医療と要介護者の自己決定権」の重要性に触れ、開会の挨拶をおこないました。

 第一講座は、「地域包括ケアシステムの構築について」愛知県健康福祉部の3名の担当者から今年度の介護報酬改定と在宅医療の現状について、国・県の状況説明及びそれぞれの所管事項について、今後自治体として取り組む課題など、数値グラフ図表を用いた説明をうけました。

 第二講座は、「在宅医療の現場から」と題し、弥富市内で定期訪問診療、末期癌患者に対する在宅医療に取組んでいる吉田公秀医師から、①在宅医療とは②在宅医療の技術③在宅医療に係る費用④現場での事例紹介の講演でした。その中で吉田医師は在宅医療の二本柱として定期訪問診療と24時間対応を挙げ、生活問題も含めた在宅医療への心構えを紹介されました。

 患者・家族への話し方、相対する位置・距離・コミュニケーション、スキルの大切さの心配りに参加者は学ぶものがありました。

 第三講座は、「介護保険はどうなるのか-地域包括ケアをめぐる現状と課題」と題して、石川満日本福祉大学教授の講演でした。問題提起として「社会保障審議会保険部会で軽度者の生活援助サービス外し、利用者負担の引き上げの検討開始」「要支援者への新総合事業も2017年度までにすべての市町村で実施」「在宅での見取りは増加していない」「それぞれの地域でどのように真の意味での地域包括ケアを確立するかが課題」を挙げ、社保審や財政制度審議会での検討議論の内容を詳しく紹介。国の15年補正予算、16年度予算にも触れました。その上で「地域包括ケアを取り巻く状況は本当にきびしい。それぞれの地域で、利用者・住民の地域生活を守るための地道な実践を積み上げていく以外に問題解決の方法はない」と結論づけられました。

 今年の研修会は、どんな状況になろうとも地域で生活していきたいという思いを、人間一人一人がもつ基本的人権の立場から自己決定権という観点から、これを把握していこうとする新たな試みとして行われました。

8回人権と介護研修会

 

 地域人権ネットは、1220日ウインクあいちを会場に、第8回「人権と介護」研修会を開催し、県内の介護や福祉施設経営者、職員ら45名が参加しました。

 はじめに特別報告として、「高齢者虐待の現状と対応状況」と題して、愛知県高齢福祉課杉原孝子氏より報告があり、「虐待の相談・通報者は介護職員が最も多い。最近は認知症の方への虐待が増えてきており、発見したら早急に相談して欲しい」と虐待の現状や対応について報告がありました。

 第一講義は「災害時における要介護者に対する生活支援」と題して、日本赤十字社愛知県支部近藤育代氏より講演があり、「特に高齢者は避難生活で心身に影響を受けやすい。普段から健康状態を観察して、予防に努めることが大切」とハンドブックを使って説明がありました。

 第二講義は「介護保険はどうなるか」と題して、立命館大学石倉康次教授より講演があり、「今後改定されるポイントとして、①要支援切り、②給付費の削減、③特別養護老人ホーム入所は原則要介護3以上、④利用料の大幅値上げ、⑤特養ホームと通所介護の介護報酬引き下げを財務省が厚労省に圧力」をあげ、これらは介護保険の改悪と批判しました。

 第三講義は「社会福祉と人権」と題して、立命館大学山本耕平教授より講演があり、「人権は、本来全ての人に等しく保障されているにも関わらず、とりわけ精神障害者の人権侵害の深刻さがある」と実際にあった事件を参考に学びました。また若者の人権についても触れ、「15歳~30歳までの死亡原因1位は自殺である」とし、若者が新自由主義的競争の下での排除と人間否定があると指摘しました。

 ご協力いただいたアンケートでは、「高齢者虐待は虐待する側、される側への適切なケアが必要だと大変勉強になった」「介護保険の改定が分かりやすく知ることが出来た」「人はいかなる状態でも人間としての尊厳をもって接されるべきだと改めて感じた」などの感想がありました。


「人権と介護」研修会の歩み

「人権と介護」研修会の歩み
国内でも定期的に「人権と介護」の問題をテイマにした研修会は皆無です。この貴重な取り組みの歩みを紹介します。
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