人権と介護セミナー 講師と演題
(回・日時・演題・講師・会場)
第1回 2008/3/30 ウィルあいち
「虐待と人権」
丹波史紀(福島大学准教授)
「認知症をどうみるか」
石倉康次(立命館大学教授)
第2回 2008/12/7 名古屋国際会議場
「介護保険の課題と今後」
石川満(日本福祉大学教授)
「虐待と人権」
廣瀬はつみ(名古屋文化学園医療福祉専門学校教員)
「認知症をどうみるか」
石倉康次(立命館大学教授)
第3回 2010/3/13 ウインクあいち
「人権の視点から見た介護保険利用者の実態と今後の介護のあり方」
石倉康次(立命館大学教授)
「認知症の向き合い方―正しく理解するために」
宮澤由美(汐田総合病院医師)
「介護現場における虐待行為と権利擁護」
丹波史紀(福島大学准教授)
第4回 2011/3/5 ウインクあいち
「介護保険をめぐって―法改正でどうなる」
石川満(日本福祉大学教授)
「認知症の向き合い方―正しく理解するために」
尾之内直美(財団法人認知症の人と家族の会愛知県支部代表
「高齢者・障がい者等への人権侵害と権利擁護」
丹波史紀(福島大学准教授)
第5回 2012/3/10 名古屋市中小企業振興会館
「高齢者虐待の現状と対応状況」
愛知県高齢福祉課担当者
「法律家の視点から見た高齢者虐待」
長谷川一裕(名古屋北事務所弁護士)
「東日本大震災・原発事故と介護、福祉の状況」
松崎暁世(老人保健施設はなひらの・社会福祉士)
「介護保険見直しの内容と課題」
石倉康次(立命館大学教授)
第6回 2012/11/24 ウィルあいち
「愛知県の高齢者虐待の現状と防止策について」
愛知県高齢福祉課担当者
「共に支えあう権利擁護―みんなの見守り活動が地域を救う」
篠田忠昭(NPO法人権利擁護支援ぷらっとほーむ理事)
「生活保護バッシングは何をもたらすのか」
寺久保光良(元山梨大学教授)
「ストップ・ザ・ぼけ!」
長谷川嘉哉(土岐内科クリニック理事長・医師)
第7回 2013/12/5 ウインクあいち
「介護保障の行方」
鈴木勉(仏教大学教授)
「介護(医療)施設と人権問題」
石倉康次(立命館大学教授)
「介護における危機管理と人権」
丹波史紀(福島大学准教授)
第8回 2014/12/20 ウインクあいち
「高齢者虐待の現状と対応状況」
愛知県高齢福祉課担当者
「災害時における要介護者に対する生活支援」
日本赤十字社愛知県支部
「介護保険はどうなるのか」
石倉康次(立命館大学教授)
「社会福祉と人権」
山本耕平(立命館大学教授)
第9回 2016/3/11 ウィルあいち
「地域包括ケアシステムの構築について」
愛知県健康福祉部担当者
「在宅医療の現場から」
吉田公秀(医師)
「介護保険はどうなるのか」
石川満(日本福祉大学教授)
第10回 2017/3/21 ウインクあいち
「高齢者の間でどう貧困が広がっているか」
寺久保光良(元山梨大学教授)
「地域社会での介護と医療のネットワーク」
鈴木勉(仏教大学教授)
「物忘れタッチパネル式機器の体験会」
第11回 2017/12/7 ウインクあいち
「介護事業現場におけるセクハラ・パワハラをなくす」
伊藤勤也(名古屋北法律事務所ちくさ事務所・弁護士)
「介護現場での適切な接遇」
阿部ふみ(日本接遇協会理事長)
「介護事業における人材採用とリテンションの実践的施策」
松田吉時(株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ副社長)
第12回 2019/2/23 ウインクあいち
「介護施設職員の雇用確保・定着をどう図るか」
五十川将史(ウエルズ社会保険労務士)
「いま地域はどうなっているか―介護保険とかかわって」
小川栄二(立命館大学教授)
第13回 2020/1/24 ウィルあいち
「介護離職をどう防ぐか」
大原ゆい(大谷大学講師)
「総介護社会―介護保険から問い直す」
小竹雅子(市民福祉情報オフィス・ハスカップ主幹)
第14回 2021/2/12 オンライン開催
「当事者からみたケアリングの本質」
山本耕平(佛教大学教授)
「人権と介護」
丹羽徹(龍谷大学教授)
第15回 2023/3/17 ウインクあいち
「介護職員処遇改善加算について」
愛知県高齢福祉課担当者
「身元保証と生活支援」
石田好江(愛知淑徳大学名誉教授)
「介護保険制度の改定と介護保障の課題」
鈴木勉(佛教大学名誉教授)
第16回 2023/9/8 ウインクあいち
「こんなに違う!家族信託と成年後見」
石川秀樹(行政書士・ジャーナリスト)
「今後の社会保障と介護を考える―介護保険の現状と高齢者の人権を中心に」
伊藤周平(鹿児島大学教授)
2月23日にウインクあいちを会場に、第12回「人権と介護」研修会を開き県内の介護施設所長や職員ら50名が参加しました。第一講座は「介護施設の雇用確保・定着をどう図るか」と題して、五十川将史ウエルズ社会保険労務士事務所代表が講義。五十川氏はハローワークでの勤務経験を活かした日本で唯一のハローワーク求人専門の社会保険労務士です。ハローワークに提出する求人票の書き方を中心に、できるだけコストをかけない採用のコツを教えていただきました。第二講座は「いま地域はどうなっているか-介護保険とかかわって-」と題して小川栄二立命館大学教授が講義。高齢者の貧困の要因について、また今後の方向性と課題について、「介護職員の労働条件・環境を整備しきちんとした人材を育てる仕組みが必要」と話されました。
12月7日、14日の2日間、ウインクあいちを会場に、第11回「人権と介護」研修会を開催し、介護事業所経営者、ケアマネジャー、ヘルパーなど計75名が参加。
第一講義は、「介護事業現場におけるセクハラ、パワハラを無くす啓発」(名古屋北法律事務所ちくさ事務所伊藤勤也弁護士)、第二講義は、「介護現場での適切な接遇」(日本接遇協会阿部ふみ理事長)、第三講義は、「介護事業における人材採用とリテンションの実践的施策」(株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ松田吉時副社長)の3名が講演し、介護に携わる施設職員の人権意識向上のために学ぶことができました。
3月21日にウィルあいちを会場に、第10回「人権と介護」研修会を開催し、県内の介護事業所から、ケアマネジャーを中心に40名が参加しました。
第一講義は「高齢者の間でどう貧困が広がっているか」と題して、寺久保光良元山梨県立大学教授が講演。第二講義は「地域社会での介護と医療のネットワーク」と題して、鈴木勉佛教大学教授が講演しました。また、特別企画として鳥取大学浦上教授が開発した「物忘れタッチパネル式機器」の体験会を開き、多くの方が参加していました。
地域人権ネット主催の、第9回「人権と介護」研修会が3月11日「ウィルあいち」を会場に開催され、尾張部を始め県内各地の介護施設から、看護師や介護職員40名余の参加がありました。
主催者を代表して丹波正史地域人権ネット代表が「在宅医療と要介護者の自己決定権」の重要性に触れ、開会の挨拶をおこないました。
第一講座は、「地域包括ケアシステムの構築について」愛知県健康福祉部の3名の担当者から今年度の介護報酬改定と在宅医療の現状について、国・県の状況説明及びそれぞれの所管事項について、今後自治体として取り組む課題など、数値グラフ図表を用いた説明をうけました。
第二講座は、「在宅医療の現場から」と題し、弥富市内で定期訪問診療、末期癌患者に対する在宅医療に取組んでいる吉田公秀医師から、①在宅医療とは②在宅医療の技術③在宅医療に係る費用④現場での事例紹介の講演でした。その中で吉田医師は在宅医療の二本柱として定期訪問診療と24時間対応を挙げ、生活問題も含めた在宅医療への心構えを紹介されました。
患者・家族への話し方、相対する位置・距離・コミュニケーション、スキルの大切さの心配りに参加者は学ぶものがありました。
第三講座は、「介護保険はどうなるのか-地域包括ケアをめぐる現状と課題」と題して、石川満日本福祉大学教授の講演でした。問題提起として「社会保障審議会保険部会で軽度者の生活援助サービス外し、利用者負担の引き上げの検討開始」「要支援者への新総合事業も2017年度までにすべての市町村で実施」「在宅での見取りは増加していない」「それぞれの地域でどのように真の意味での地域包括ケアを確立するかが課題」を挙げ、社保審や財政制度審議会での検討議論の内容を詳しく紹介。国の15年補正予算、16年度予算にも触れました。その上で「地域包括ケアを取り巻く状況は本当にきびしい。それぞれの地域で、利用者・住民の地域生活を守るための地道な実践を積み上げていく以外に問題解決の方法はない」と結論づけられました。
今年の研修会は、どんな状況になろうとも地域で生活していきたいという思いを、人間一人一人がもつ基本的人権の立場から自己決定権という観点から、これを把握していこうとする新たな試みとして行われました。
第8回人権と介護研修会
地域人権ネットは、12月20日ウインクあいちを会場に、第8回「人権と介護」研修会を開催し、県内の介護や福祉施設経営者、職員ら45名が参加しました。
はじめに特別報告として、「高齢者虐待の現状と対応状況」と題して、愛知県高齢福祉課杉原孝子氏より報告があり、「虐待の相談・通報者は介護職員が最も多い。最近は認知症の方への虐待が増えてきており、発見したら早急に相談して欲しい」と虐待の現状や対応について報告がありました。
第一講義は「災害時における要介護者に対する生活支援」と題して、日本赤十字社愛知県支部近藤育代氏より講演があり、「特に高齢者は避難生活で心身に影響を受けやすい。普段から健康状態を観察して、予防に努めることが大切」とハンドブックを使って説明がありました。
第二講義は「介護保険はどうなるか」と題して、立命館大学石倉康次教授より講演があり、「今後改定されるポイントとして、①要支援切り、②給付費の削減、③特別養護老人ホーム入所は原則要介護3以上、④利用料の大幅値上げ、⑤特養ホームと通所介護の介護報酬引き下げを財務省が厚労省に圧力」をあげ、これらは介護保険の改悪と批判しました。
第三講義は「社会福祉と人権」と題して、立命館大学山本耕平教授より講演があり、「人権は、本来全ての人に等しく保障されているにも関わらず、とりわけ精神障害者の人権侵害の深刻さがある」と実際にあった事件を参考に学びました。また若者の人権についても触れ、「15歳~30歳までの死亡原因1位は自殺である」とし、若者が新自由主義的競争の下での排除と人間否定があると指摘しました。
ご協力いただいたアンケートでは、「高齢者虐待は虐待する側、される側への適切なケアが必要だと大変勉強になった」「介護保険の改定が分かりやすく知ることが出来た」「人はいかなる状態でも人間としての尊厳をもって接されるべきだと改めて感じた」などの感想がありました。