「人権と介護」研修会

第10回「人権と介護」研修会を開催(2017年3月21日)

 3月21日にウィルあいちを会場に、第10回「人権と介護」研修会を開催し、県内の介護事業所から、ケアマネジャーを中心に40名が参加しました。

 第一講義は「高齢者の間でどう貧困が広がっているか」と題して、寺久保光良元山梨県立大学教授が講演。第二講義は「地域社会での介護と医療のネットワーク」と題して、鈴木勉佛教大学教授が講演しました。また、特別企画として鳥取大学浦上教授が開発した「物忘れタッチパネル式機器」の体験会を開き、多くの方が参加していました。

 

第9回「人権と介護」研修会開催(2016年3月11日)

 地域人権ネット主催の、第9回「人権と介護」研修会が3月11日「ウィルあいち」を会場に開催され、尾張部を始め県内各地の介護施設から、看護師や介護職員40名余の参加がありました。

 主催者を代表して丹波正史地域人権ネット代表が「在宅医療と要介護者の自己決定権」の重要性に触れ、開会の挨拶をおこないました。

 第一講座は、「地域包括ケアシステムの構築について」愛知県健康福祉部の3名の担当者から今年度の介護報酬改定と在宅医療の現状について、国・県の状況説明及びそれぞれの所管事項について、今後自治体として取り組む課題など、数値グラフ図表を用いた説明をうけました。

 第二講座は、「在宅医療の現場から」と題し、弥富市内で定期訪問診療、末期癌患者に対する在宅医療に取組んでいる吉田公秀医師から、①在宅医療とは②在宅医療の技術③在宅医療に係る費用④現場での事例紹介の講演でした。その中で吉田医師は在宅医療の二本柱として定期訪問診療と24時間対応を挙げ、生活問題も含めた在宅医療への心構えを紹介されました。

 患者・家族への話し方、相対する位置・距離・コミュニケーション、スキルの大切さの心配りに参加者は学ぶものがありました。

 第三講座は、「介護保険はどうなるのか-地域包括ケアをめぐる現状と課題」と題して、石川満日本福祉大学教授の講演でした。問題提起として「社会保障審議会保険部会で軽度者の生活援助サービス外し、利用者負担の引き上げの検討開始」「要支援者への新総合事業も2017年度までにすべての市町村で実施」「在宅での見取りは増加していない」「それぞれの地域でどのように真の意味での地域包括ケアを確立するかが課題」を挙げ、社保審や財政制度審議会での検討議論の内容を詳しく紹介。国の15年補正予算、16年度予算にも触れました。その上で「地域包括ケアを取り巻く状況は本当にきびしい。それぞれの地域で、利用者・住民の地域生活を守るための地道な実践を積み上げていく以外に問題解決の方法はない」と結論づけられました。

 今年の研修会は、どんな状況になろうとも地域で生活していきたいという思いを、人間一人一人がもつ基本的人権の立場から自己決定権という観点から、これを把握していこうとする新たな試みとして行われました。

8回人権と介護研修会

 

 地域人権ネットは、1220日ウインクあいちを会場に、第8回「人権と介護」研修会を開催し、県内の介護や福祉施設経営者、職員ら45名が参加しました。

 はじめに特別報告として、「高齢者虐待の現状と対応状況」と題して、愛知県高齢福祉課杉原孝子氏より報告があり、「虐待の相談・通報者は介護職員が最も多い。最近は認知症の方への虐待が増えてきており、発見したら早急に相談して欲しい」と虐待の現状や対応について報告がありました。

 第一講義は「災害時における要介護者に対する生活支援」と題して、日本赤十字社愛知県支部近藤育代氏より講演があり、「特に高齢者は避難生活で心身に影響を受けやすい。普段から健康状態を観察して、予防に努めることが大切」とハンドブックを使って説明がありました。

 第二講義は「介護保険はどうなるか」と題して、立命館大学石倉康次教授より講演があり、「今後改定されるポイントとして、①要支援切り、②給付費の削減、③特別養護老人ホーム入所は原則要介護3以上、④利用料の大幅値上げ、⑤特養ホームと通所介護の介護報酬引き下げを財務省が厚労省に圧力」をあげ、これらは介護保険の改悪と批判しました。

 第三講義は「社会福祉と人権」と題して、立命館大学山本耕平教授より講演があり、「人権は、本来全ての人に等しく保障されているにも関わらず、とりわけ精神障害者の人権侵害の深刻さがある」と実際にあった事件を参考に学びました。また若者の人権についても触れ、「15歳~30歳までの死亡原因1位は自殺である」とし、若者が新自由主義的競争の下での排除と人間否定があると指摘しました。

 ご協力いただいたアンケートでは、「高齢者虐待は虐待する側、される側への適切なケアが必要だと大変勉強になった」「介護保険の改定が分かりやすく知ることが出来た」「人はいかなる状態でも人間としての尊厳をもって接されるべきだと改めて感じた」などの感想がありました。


「人権と介護」研修会は終了しました。ご参加ありがとうございました。

第7回「人権と介護」研修会

 地域人権ネットは、12月5日(木)ウインクあいちを会場に、第7回「人権と介護」研修会を開催し、県内の介護や福祉に携わる施設経営者、職員ら50名が参加しました。

 はじめに主催者である、丹波正史地域人権ネット代表よりあいさつがあり、「これまで人権と介護に関わる講座はあまりなかった。人間の尊厳を守りながら実践していくことが大事と考え講座を開いた」と主旨を説明しました。

 第一講義は、「介護保障の行方」と題して、鈴木勉佛教大学教授より講演があり、「雇用の不安定化や低賃金で結婚ができない。できても核家族化がすすみ、自宅で介護することは難しくなっており、今までの家族のあり方が維持できない」と現在の社会福祉における課題を述べました。

 第二講義では、「介護(医療)施設と人権問題」と題して、石倉康次立命館大学教授より講演があり、「厚労省の身体拘束原則禁止解除基準が曖昧であり、身体的拘束と人権をもっと明確にするべき」と人権侵害の正確な把握の必要性を訴えました。また、「職員の人権保障水準と施設の経営・管理水準が問題にされることが少ない。そこで働く職員の人権も考えていかなければならない」と介護(医療)施設での人権問題について学びました。

 第三講義では、「介護における危機管理と人権」と題して、丹波史紀福島大学准教授より講演があり、「震災後3世代以上の家族離散は48,9%と約半数が離散して暮らしており、震災から3年が経っても復旧は進んでいない」と被災地の写真を写しながら説明がありました。また、「災害による避難生活においても、個人としての尊厳が保たれる環境はとても大事であり、今回の震災で果たした福祉事業所の役割は大きかった」と話しました。

 ご協力いただいたアンケートでは、「他国と比べても福祉サービスへのサポートも出来ていない点のフォローの仕方を個人としても考えるいい機会となりました」「災害時における復興と福祉の役割、個人情報の取扱いの難しさを知りました」「今の福島の人たちの現状や避難することの大変さや、被災者の人権をいかにして守っていくかなど、とても考えさせられました」などたくさんの意見や感想があり感謝しております。当研修会が参加者にとって実りある研修となるよう、次回も企画していきたいと思います。

 

 

第6回「人権と介護」研修会

 2012年11月24日(土)地域人権ネット主催の「第6回人権と介護研修会」がウィルあいちで開催され、県内の介護事業所職員ら60名が参加しました。

 主催者を代表して、丹波正史地域人権ネット代表が挨拶し、「この研修会は人権の観点から介護を捉えるという目的がある。今回もそれぞれの分野で第1級の講師に講演をいただき、学んだことを現場で活かしてください」と挨拶しました。

 始めに、特別報告として愛知県高齢福祉課より「愛知県の高齢者虐待の現状と虐待防止対策について」と題して講演があり、7月に行なわれた高齢者虐待の実態調査の回答内容や高齢者虐待防止法の説明がありました。

 第一講義では、篠田忠昭NPO権利擁護支援ぷらっとほーむ理事より「共に支えあう権利擁護=みんなの見守り活動が地域を救う=」と題して講演がありました。篠田氏は「私たちは、名古屋市内に在住の高齢者の支援や生活保護の申請などの法手続きを代行しており、専門家と地域が協力して活動している。」また、日本では権利擁護の意識が低いとし、「現在の日本は法治国家ではなく放置国家。住民が活動を活発させて行政を動かさなければならない」と指摘しました。

 第二講義では、寺久保光良元山梨県立大学教授より「生活保護バッシングは何をもたらすのか」と題して講演があり、「生活保護受給者は210万人を超え、厚労省発表の補足率は30%。専門家の間では20%と言われている。受給要件に当てはまる人たちは、もっとたくさんいる」と指摘し、「フランスでは有名人の親族が生活保護を受給していても問題にならない。日本のバッシングには問題がある」と述べました。

 第三講義では、長谷川嘉哉土岐内科クリニック理事長より「ストップ・ザ・ぼけ!」と題して講演がありました。長谷川氏は全国でも数少ない認知症の専門医です。始めに、認知症の基礎知識として、「認知症は物忘れだけではなく、同じ話をする、話を忘れるなどがあり、家族よりも他人に指摘されると危険。物忘れの段階で認知症を発見できるかどうかが早期発見につながる」と話されました。また知っておくと得なものとして、「医者は医療知識だけでなく、年金制度についても知っておく必要がある。障害年金は受給漏れが10万人いると言われている。また、特別障害者手当は一番もらい忘れが多く、該当患者には教えている」と述べました。

 ご協力いただいたアンケートでは、「国に頼るのではなく、自分達が活動して行政を動かすというところが心に残りました」「政府が行なっている支援制度などを勉強してみます」など、たくさんの意見や感想をいただきました。

 講義終了後、参加者に修了証を交付し終了となりました。

第5回「人権と介護」研修会
 3月10日(土)地域人権ネット主催の、第5回「人権と介護」研修会が吹上ホール内会議室において開催され、介護施設職員ら61名が参加しました。
 主催者あいさつで丹波代表は「今回の研修会の特徴は、東日本大震災から1年が経ち、原発事故にともなう介護施設の状況、また現場でどう対応するか。そして、医療・介護制度の改定で現場がどう変わるか、高齢者虐待をどのように考えていくか。これらの内容が特徴であり、皆さんの協力のもと研修会を成功させたい」とあいさつしました。
 はじめに特別報告で「高齢者虐待の現状と対応状況」と題して、愛知県高齢福祉課職員より報告があり、高齢者虐待防止法の内容と特徴をわかりやすく説明され、高齢者虐待対応のポイントとして、①早期発見が虐待防止につながる②高齢者本人の意思の確認・尊重③虐待者を罰することが目的ではない④チーム、ネットワークでの支援であると解説されました。
 第一講義は「法律家の視点から見た高齢者虐待」と題して、名古屋北法律事務所長谷川一裕弁護士より講義があり、「福祉に携わる職員の人権も考えることも大事であり、高齢者虐待をなくすには職員の労働環境も改善していく必要がある」と指摘し、最近の高齢者虐待関連事件を法律家の視点から解説され、「虐待については慎重に判断する事が大事。適切で十分な調査が必要」と話されました。
 第二講義は「東日本大震災・原発事故と介護、福祉の現状」と題して、福島県老人保健施設はなひらの介護福祉士松崎暁世氏より講義があり、「電話、電気、水道も停止になり、食事が3食提供できない施設もあった。」と3.11に現場で何が起こったか話され、「長い仮設住宅暮らしによって、認知症が悪化している。」と問題視し、最後に「これを機に原発のあり方を考えていただきたい」と締めくくりました。
 最後の講義は「介護保険見直しの内容と課題」と題して、立命館大学石倉康次教授より講義があり、「社会保障・税の一体改革素案を見ると、高齢者負担が重くなり必要な介護サービスが受けられなく可能性がある。」と指摘し、介護報酬の改定として、介護職員の処遇改善に関する見直し・中重度の在宅、施設サービスの重点化対応・介護予防、重度化予防・医療と介護の連携、機能分担と看取り対応の強化について説明がありました。
 講義終了後、参加者に修了証を交付し無事終了しました。

「人権と介護」研修会の歩み

「人権と介護」研修会の歩み
国内でも定期的に「人権と介護」の問題をテイマにした研修会は皆無です。この貴重な取り組みの歩みを紹介します。
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