わが国ではじめて「地域人権憲章」が制定される

人権一口メモ(2012/11/19)

わが国ではじめて「地域人権憲章」が制定される

 全国地域人権運動総連合(全国人権連)は11月17から二日間、第5回全国大会を埼玉県で開催した。この大会では7年間に及ぶ議論を経て「地域人権憲章」が制定された。この「地域人権憲章」は、①わが国ではじめて地域社会を対象にした権利宣言であること、②これからの全国人権連の運動目標、羅針盤であること、③全国人権連のみならず、地域社会の問題を解決するための共通目標になりうること、④自由権、幸福に生きる権利、住民自治権の3つの柱からなり、新しい地域社会論となっていること、である。

                                「地域人権憲章」

はじめに
 さまざまな階層や分野の人々によって構成されている地域社会には、安心・安全な住民生活を保障するための共同性と地域性から生み出される、多様な人間的要求が存在する。
 私たちは、地域社会を基盤に多様な住民要求の実現と民主的な地域づくり、自由平等の観念が生活に根付くよう民主主義の成熟をめざしてきた。地域社会の問題は日に日に深刻化していることから、地域づくりの新しい羅針盤として「地域人権憲章」を制定し、住民連帯による運動の展開で人権の確立をはかるものである。

地域社会の課題
 「新自由主義」にもとづく「構造改革」は、日本社会に弱肉強食の競争原理を持ち込み、貧困と格差を拡大し、住民生活に多大な困難をつくりだしている。
 その結果、地域社会においては、教育や福祉の削減、中小企業の倒産・廃業、貧困世帯の増加、急激な少子高齢化とあいまって、限界集落、孤独死などの問題が起き、地域のコミュニティーと自治が衰退している。
 くわえて、大震災による深刻な被害は、地域社会の崩壊を招くなど地域再建の長期化・困難をもたらしている。しかも原発事故による放射能問題は、生態系に対しはかりしれない影響を与えており、安心。安全を求めるかつてない国民的運動の高まりを生んでいる。

地域人権確立の方向
 地域社会において誰もが等しく幸福を追求し自由に生きる権利である地域人権の実現をめざす運動は、人権に関する世界の努力の成果と日本国憲法の人権と民主主義、住民自治確立の理念を地域社会で活かし、実現することを目標とする。
 私たちは多様な要求をとりあげ、いつまでも住み続けられ、_平和で人間らしい暮らしができる、つぎのような地域社会をめざす。
① 自分の意思により自由に考え発信し行動できる地域社会
②貧困や格差による困難を解消し、幸福に暮らせる地域社会
③参加・協同による住民自治が確立された地域社会

一人ひとりが輝く地域社会を
 高度経済成長による農村型社会の変化と憲法擁謹運動の発展は、日本社会を大きく前進させた。、しかし「構造改革」路線の行き詰まりは、貧困と格差の拡大固定と人間の孤立化、地域社会の崩壊をもたらしている。それは一方で、自由で民主的な人間関係を構築する地域共同体として歩み始める可能性と条件を生み出す新たな時代の到来でもある。
 人間の尊厳を守るたたかいの輝かしい歴史的教訓|と、地域社会に立脚し社会的道理に照らして住民要求を実現してきた伝統を受けつぎ、私たちは住民に依拠し、_国際的連帯も視野に、地域人権の運動を発展させる決意である。
 ともに手をつなぎ、一人ひとりが輝く地域づくりを前進させよう。
                     全国地域人権運動総連合
                     2012年11月18日
                                          埼玉県さいたま市に於ける第5回全国大会で

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コメント: 1
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    Kelle Kellems (金曜日, 03 2月 2017 06:35)


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