和田秀樹さんの「経営者の大罪」がいい

人権一口メモ

 和田秀樹氏の「経営者の大罪」(祥伝社新書)を一気に読了した。和田氏は、現在の日本社会の低迷を生み出した最大の要因は民間大企業を率いる無能経営者にほかならない、という。日本ブランドを凋落させ、「安売り競争」に狂奔し、海外へ工場を移転させた。日本を「弱者切り捨て容認社会」「自殺大国」などに落とし入れた。他方で累進課税の最高税率を下げて金持ちを優遇した結果、内需を支えていた中間層が崩壊してしまった。この時期が1990年代後半と位置づける。アメリカ型システムに追随するのみで、大局的視点や知性に欠けた無能な経営者こそが、消費不況、年金・福祉の崩壊、自殺者数の増加といった問題を招いた。日本が立ち直るにはアメリカ型システムから脱却し、消費を支える中流を生み出し、累進課税率を上げることが必要と力説する。この本の内容はこれくらいにして、貴方もぜひ一読してほしい。