エセ同和行為根絶研修会

 3月19日、地域人権ネット主催のエセ同和根絶研修会がウィルあいちにおいて開催され、企業や行政関係者30名が参加しました。

 第一講義は、「同和問題とは何か」と題して、尾川昌法部落問題研究所常務理事より講演があり、「人権は17~18世紀の西欧ではじめて定式化され、歴史的に発展し今日も深化、拡大、発展している。近代民主主義の基本理念であり、民主主義と不可分である。人権と民主主義の発展は歴史の進歩をはかる尺度である」と人権を歴史の視点から語っていただきました。また「部落解放運動と政府が実施した特別法もあり、周辺地域と劣位にあった生活環境の格差はほとんどなくなった」と同和問題は基本的に解決したと語られました。

 第二講義は、「部落解放運動の動向」と題して、新井直樹全国人権連事務局長より講演があり、「2002年に特別対策は終了し、一般対策に移行している。政府が特別対策を終了した主な理由は、①特別対策は、本来時限的なもの(これまでの膨大な事業の実施によって同和地区を取り巻く状況は大きく変化)、②特別対策をなお続けていくことは、同和地区の解決に有効とは考えられない、③人口移動が激しい状況の中で、同和地区・同和関係者に対象を限定した施策を続けることは事実上困難」とし、人権連は部落問題解決の逆流を許さない運動をしていると報告がありました。

 第三講義は、「不当請求・要求に対する法律的根拠」と題して、加島光弁護士より講演があり、「不当要求で間違った対応をしないためにも、人権問題を正しく理解することが大事」と話し、心構えと対処法として、「①相手方より多い人数で対応する、②危険のない限り、安易な妥協はしない、③担当者一人に任せずに組織的に対応する、④不当請求や要求があった場合は、直ちに相談窓口に電話する」など4点のポイントが紹介されました。

 エセ同和行為は、人権問題を正しく理解すれば、何も恐れることはありません。次回も充実した研修会を企画していきます。


ご参加ありがとうございました。

 

エセ同和行為根絶研修会

 

 

 

 3月3日(月)地域人権ネット主催の「エセ同和行為根絶研修会」がウィルあいちにおいて開催され、企業や行政関係者50余名が参加しました。はじめに主催挨拶から始まり、第1講義として、「差別ハガキ事件にみるエセ同和行為」と題して、人権連福岡県連植山光朗氏から講演があり、「被害者」を装った立花市の男性嘱託職員K氏が自作自演であったとし、偽計業務妨害で逮捕されたことで判明した事件で、「普段このような匿名で投書されることはよくあるのですが、なぜここまで大きな事件になったか」を語り、まず一つに、ハガキの文面に「部落」という文字が入っていたこと、もう一つに「差別ハガキ事件は、部落差別を助長する悪質な差別」事件と行政や解放同盟が考え全国の場で発言したことで、大問題になったとし、「同和特別対策が終結しているが、いまだに一件でも差別があれば同和行政は続けなければならないという呪縛にとらわれていて、10年以上たってもまだ、払拭されていない」と述べられました。                                                       

 

 第2講演として、「不当請求・要求に対する法律的対処」と題して、あいち市民法律事務所の淺見弁護士から講演が行われました。同氏は愛知県弁護士会の「民事介入暴力対策特別委員会」で活躍されています。まず、暴対法についての説明があり、「暴対法とは、誰がしているの行為ではなく、その行為や、要求内容によって取り締まりを行っていること。モンスターペアレントや、クレーム等も対象になりえることがあること。また、愛知県暴力団排除条例では、反社会的団体や個人の要求を受け入れることがそれらの活動を助長・運営に資する「利益供与」として禁止されており、企業などの信用失墜にもつながることになること。また、最近減少傾向にあるとはいえ「高額図書の購入」。エセ同和行為を含む行為としての「寄附金や賛助金等を要求する行為」や「下請取引への参入等を要求する行為」について話され、不当要求への対処方法としては「相手方やその要求の確認をし、交渉の経緯を記録して、即答や不用意な署名、押印等は厳禁とし、通報や相談をする事」であること。特に重要なのが、①危機管理体制を構築し、対応部署やマニュアルの作成、②コンプライアンスに則り、対応することが大切と述べられました。司会者が参加者の方に尋ねたところ、4社ほどしかマニュアルの作成がされていませんでした。

 

ご協力いただいたアンケートでは、「初めてハガキ事件の事を聞いたが、事件にたずさわってきた観点から説明していただきよく理解できた」、「不当要求等の対処法をわかりやすく説明していただき、とても役に立ちました」「迅速に対応マニュアルを作らないといけないと思った」などたくさんの感想がありました。

 

 

 

2013年エセ同和行為根絶研修会の開催

 2013年2月15日(金)地域人権ネット主催のエセ同和根絶研修会がウィルあいちにおいて開催され、企業や行政関係者50名が参加しました。はじめに主催あいさつから始まり、第一講義として、「最近の部落差別に関する議論」と題して、奥山峰夫大阪経済法科大学教授より講演があり、週間朝日に掲載された大阪市長の出自報道について言及し、「出自報道は不適切かどうかの議論の対象とはなっても、部落差別というのはあたらない。部落差別はまだまだ根強い論に利用された。」と語り、「部落差別はかなり後退している。しっかり解決段階を見ていく必要がある。」と述べました。

 第二講義として、「部落差別問題の現状と人権擁護・救済の課題」と題して、全国人権連新井直樹事務局長より講演があり、現在の同和問題の現状を報告し、「結婚についても部落外との結婚が多くなってきており、仮に反対されても様々な状況を乗り越えて結婚している方がほとんど。これらを知らせていくことが解決につながる」と話し、また全国人権連の動きとして、「昨年の全国大会では地域人権憲章を採択し、また1月の法務省交渉では人権擁護機関の充実や実効性を要求した。」と報告しました。

 第三講義では、「不当請求・要求に対する法律的対処」と題して、加島光弁護士より講演があり、「最近のエセ同和行為では、書籍の不当請求からDVDに変わってきている。行為自体は減少傾向だが、日頃から人権問題に関しての研鑽を積むことが大事。」と話し、心構えと対処法として、①相手方より多い人数で対応する、②危険のない限り、安易な妥協はしない、③担当者一人に任せずに組織的に対応する、④不当請求や要求があった場合は直ちに相談窓口に電話する。など4点のポイントを紹介しました。

 ご協力いただいたアンケートでは、「同和問題の現状がよく分かった」「不当要求に対しての対処法など大変分かりやすく説明してもらえた」などたくさんの感想がありました。

エセ同和行為も社会の変化によって変わってきていることも踏まえ、次回もさらに充実した研修会にしていきます。

エセ同和行為根絶研修会

 

 2月10日(金)地域人権ネット主催の、エセ同和行為根絶研修会がウィルあいちにて開催され、企業関係者や自治体職員50名が参加しました。はじめに、「えせ同和の歴史的背景と現状」と題して、部落問題研究所尾川昌法常務理事より講演があり、「同和問題を口実とする不当な要求、不法な行為などが、えせ同和行為であり、部落解放運動団体を名乗っているからといって、エセ同和行為をしないとは言い切れない。問題なのは、団体ではなくて行為が問題」とえせ同和行為の概念について説明し、えせ同和行為がどのような歴史的背景で行われるようになったのか、お話をされました。

 続いて「人権侵害救済機関設置法案をめぐる動向と課題」と題して、全国人権連新井直樹事務局長より講演があり、部落問題の現状認識として「住民自身の努力、解放運動の取り組み、同和対策の実施また国民的理解の広まりなどにより、ほぼ解決している状況にある」とし、「差別問題は政府ではなく、国民の協力で解決可能であり、部落にこだわる運動はよくない」と部落問題解決の阻害要因などを指摘しました。

 最後に、「不当請求・不当要求に対する法律的対処」と題して、加島法律事務所加島光弁護士より「同和問題に対する無知、無理解によることで不当要求されることが多い。正しい同和問題を認識することが大事」と説明され、また心構えと対処法として、①必ず複数で対応すること。②身体等に危険のない限り安易な妥協はしないこと。③担当者一人に任せずに組織的対応をすること。④相談窓口に直ちに連絡すること。など4点の対処法を述べられ、きちんとした対応で2次被害3次被害が防げるとアドバイスしました。

 参加者の皆さんのアンケートを拝見したところ、「同和問題は思った以上に解消に向かっている一方、国や地方自治体の行なう対策が実態と少し違う方向にあるのでは」「実際に書籍を売りつけられた経験があったので対処法が良く理解できた」など多数の意見を頂戴いたしました。

法務省の調査結果では、小規模事業所での被害率が最も高いデータも出されていますので、地域人権ネットとしましても、より多くの企業関係者の方に参加していただけるような研修内容を次回も企画したいと思います。

エセ同和行為根絶研修会の歩み
同和問題を口実にして不当・不法な要求にどう対応するかを法律面での具体的対処法と部落問題の正しい理解の2本立てから企画されてきた研修会です。
エセ同和行為根絶研修会の歩み.pdf
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