歴史の教訓を正しく引き出すことができるか

人権一口メモ(2012/12/05)

 久しぶりに筆を執る。総選挙が始まり、今後の日本の進路が問われている。原発をどうする、消費税増税を認めるか、TPP容認か、さらに憲法9条を守るか、いずれも戦後の枠組みの根本問題が問われている選挙である。今朝の新聞にはいずれの各紙も「12党混戦、最多1504人」というような題字が目につく。その中で政治部長、社会部長の肩書きで今回の総選挙の特徴について触れる文書が各紙で掲載されている。
 中日新聞は島田佳幸社会部長が「こんなに怖い選挙はない」と題した記事を掲載している。この記事では世論調査の結果を踏まえ、どの政党を選択するかとその投票者の政策への思いに乖離があるという。つまり原発ゼロを求め、憲法9条反対であるのに、政党選択ではその逆を掲げる政党を支持するということだ。島田さんは気分で投票先を決める危険性を指摘しながら、大戦での当方もない犠牲や、原発事故で故郷が奪われた経験を踏まえ、「ここで問われるものとは、だから、私たちが失敗や悲劇から学べる国民なのかどうか、である」と結論づけている。私も島田さんの意見に同調するし、今度の政党選択くらい、重大な意義を持つ選挙はないと思う。