人権を映画で観る上映会の歩みと内容

 「人権を映画で観る」上映会は、1999年に第1回目を開催してからこれまでに13回開催しています。この上映会は、人権の視点から映画を捉え、映画を通して人権と民主主義をともに考え合い映画文化の発展に寄与しようとする企画です。映画会では、貧困問題とか、人間の挑戦とか、毎回テーマを決めて開催しています。このテーマを中心に映画評論家や監督などを招いて前夜祭を開催しています。上映会では、これまでに107本の名作を上映し、約1万8,600名の人びとが鑑賞しています。

 

 

 上映会場に毎回の「人権を映画で観る上映会」のチラシの展示を熱心に見入る参加者の皆さん。

第21回「人権を映画で観る」上映会 は、コロナ感染拡大のため中止しました

新型コロナウイルスの広がりをふまえ、第21回人権を映画で観る上映会の中止のご連絡

 

鑑賞予定各位

                                                                2020年2月27日
                                              地域人権ネット 代表 丹波正史

 

 日頃より大変お世話になっております。
 2月28日(前夜祭)、3月1・2日(上映会)の3日間にわたり予定しておりました第21回人権を映画で観る上映会の開催について、新型コロナウイルスの感染が広がり、鑑賞予定者の皆さんから開催について問合せが相次いでいます。
緊急に地域人権ネットで検討した結果、いつ終息するのか見通しの立たないもとで、参加される方の多くが高齢であることや、移動での電車・バス、また会場など、人が集まり、一定閉ざされた空間が多く長時間に及びことなどもふまえ、鑑賞予定者のみなさんの健康を第一に考え、人権を映画で観る上映会の前夜祭及び上映会を中止することとしました。

 本来であれば、中止の決定を早めに行う必要性がありましたが、主催者側でのマスクの用意、受付場所での消毒液に配置、鑑賞者の氏名・住所などの届け、風邪症状がある方の入場のお断りの措置など、最後まで開催可能性を追求してきましたが、命に関わる問題でもあり、断腸の思いで今回の措置となりました。
どうかご理解をいただきますようお願いいたします。
 なお、事前申し込みで鑑賞券を購入された方には後日返金させていただきます。ご不明な点は、地域人権ネット事務局までご連絡をお願いいたします。

 


参考 政府「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」より
◇閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大させるリスクがある。     
◇イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではないが、専門家会議からの見解も踏まえ、地域や企業に対して、イベント等を主催する際には、感染拡大防止の観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請する。

 

☆20周年を迎える☆ 

第20回「人権を映画で観る」上映会 (2019年3月1~3日)

今回で20周年を迎える「人権を映画で観る」上映会が、記念講演をウインクあいち、上映会を名古屋市西文化小劇場で開催しました。上映会では映画評論家の石子順氏が「映画は絶望を乗り越える」と題して講演し、第91回米アカデミー賞の受賞作品について解説し、「黒人の俳優や監督の多くノミネートされておりいい映画が入っている」とし、人種差別についても話されました。今回の上映作品は「学校Ⅱ」「サーミの血」「タクシー運転手」「ひろしま」「デトロイト」「マルクスエンゲルス」「独裁者」の7本を上映し、メインである「タクシー運転手」は160名の参加者がありました。

第19回「人権を映画で観る」上映会を開催(2018年3月2~4日)

 3月2日から4日の3日間、第19回「人権を映画で観る」上映会を開催し、県内外から延べ950人が参加しました。初日の前夜祭は「映画は警笛を鳴らす―今回上映作品と2017年公開の問題作」をテーマに映画評論家の石子順氏が講演しました。今回の上映会は「帰ってきたヒトラー」「米軍が最も恐れた男―その名はカメジロー」「えっちゃんのせんそう」「あん」「午後の遺言状」「裸の一九才」「モダンタイムズ」「わたしはダニエルブレイク」の8本を名古屋市西文化小劇場で上映しました。

第18回「人権を映画で観る」上映会を開催(2017年3月3日~5日)

 3月3日~5日に「第18回人権を映画で観る」上映会を開催し、延1000名が参加しました。初日はウィルあいちを会場に、前夜祭として映画評論家の石子順氏を招き、「映画は何のために撮られて何のために見るのか-チャップリンからトランボへ」と題して、アメリカを代表する2人の監督の生きざまを語りました。

 上映会は、西文化小劇場を会場に計8本を上映し、今回のメインである「トランボ-ハリウッドに最も嫌われた男」は会場満員となりました

第17回「人権を映画で観る上映会」を開催(2016年2月14日)

 地域人権ネット主催で、第17回「人権を映画で観る上映会」が、2月12日から14日までの3日間、ウインクあいちと名古屋市西文化小劇場を会場に開催され、延べ650人を超える参加者がありました。

 この上映会は、人権の視点から映画を捉え、映画を通じて人権と民主主義をともに考え合い、映画文化の発展に寄与しようとする企画です。

 初日に行われた前夜祭講演会では、丹波正史代表による主催者挨拶に続いて、映画評論家の石子順氏が「映画が人権を語るとき 薩チャン正ちゃんの思い出」をテーマに講演。

 石子氏は「薩チャン(山本薩夫)と正ちゃん(今井正)は映画会社から自立した映画監督の双璧」

「山本薩夫は叙事詩的・男性的社会性、今井正は叙情派・しなやかなリアリズム・個人的世界」と両監督の作品の特徴を紹介。

 両監督は「独立プロ映画運動の旗手、日本映画の前進と発展を押し進めた巨匠、日本映画のリアリズムを確立した。二人の共通点は現実を見つめ、不正不平等を暴いた。」と評価。

 山本薩夫監督作品について、1947年の「戦争と平和」(山本)から52年の帝国陸軍の真相を描いた「真空地帯」、1960年に山本宣冶を主人公に作られ浅沼稲次郎社会党委員長の暗殺事件の後公開された「武器なき斗かい」、ドロンと消えるのではない生身の人間としての忍者を描いた「忍びの者」、松川事件の外伝的な中身の「にっぽん泥棒物語」などを紹介。

 今井正監督作品では、八海事件をテーマに冤罪事件を取り上げた「真昼の暗黒」、原爆問題を扱った純愛物語、人種差別に取組んだ「キクとイサム」、別れのシーン、部落差別の残酷さに迫った「橋のない川」などなど、資金不足のなかでのスタッフ、キャストの奮闘も詳しく紹介。

 「不正・不平等」「弱者」「貧乏」「圧政者」を描き、「人権」「人道主義」「反戦平和」を楽天性、正義感、風刺、ユーモア感覚をおもしろいが政治的信念を貫くのが二人の作品であるが、いまの日本映画には反戦的な作品が減ってきていると指摘もされました。

 今回の作品上映の中で、「謀殺・下山事件」はこの映画だけ観たい観客が多く、最も盛況の入りとなりました。

 感想文からは、

●いくつかの作品の背景の戦後史を若い人に伝えることが大切だ。

●「映画は社会の不正を暴くものであるべき」との山本監督の言葉に感激。

●講演を聴いて、映画ファンを自負していたが知らないことが・・・

など、多くの感想や意見や希望が寄せられました。今回のアンケートも参考に、次回も人権に関する名作を上映したいと思います。

 

「第16回人権を映画で観る上映会」は終了しました。たくさんのご来場ありがとうございました。 

開催日時:2015年1月16日(金)前夜祭~ウィルあいち(18時~20時)

                  「戦後70年!映画は民主主義を訴えた」

                                                     記念講演:石子順(映画評論家・元和光大学教授)

          1月17日(土)上映会~西文化小劇場

                  第1回上映:この子を残して(10:00~12:08)

                  第2回上映:夢千代日記  (12:50~14:58)

                  第3回上映:日本の悲劇  (15:20~17:16)

          1月18日(日)上映会~西文化小劇場

                  第1回上映:皇帝のいない八月(10:00~12:20)

                  第2回上映:人間みな兄弟 (13:00~14:00)

                  第3回上映:日本列島   (14:15~16:11)

                  第4回上映:若者たち   (16:30~17:53)

          上映協力券   

                  2日通し券:3000円

                  1日券  :1500円

                  単独券  :800円

                  ※障がい者・中高生は半額              

 

第15回人権を映画で観る上映会

 第15回「人権を映画で観る上映会」が2月7日から9日までの3日間、ウィルあいちを会場に、延べ800人余りの参加者で開催されました。この上映会は、人権の視点から映画を捉え、映画を通じて人権と民主主義をともに考え合い、映画文化の発展に寄与しようとする企画です。

 

7日に行われた前夜祭では、丹波正史代表より主催者挨拶があり、「記念すべき15回目の開催であり、滅多に上映できない映画も行っている。人権を映画で観るという企画もずいぶん認知されてきており、これからもこの上映会を充実させていきたい。」と挨拶をしました。続いて、映画評論家の石子順氏が「映画の力、生きる力」と題して記念講演を行い、「山田洋次監督は、自衛隊が外国で人を殺せるような時代になることを心配しており、戦争に対していろいろな思いがあり、今回82歳、82作目にして初めて戦争に関する映画を作り、戦争に向き合った。」と語り、また、なぜ人々は映画を見るのだろうというお話をされ、「知らない人と映画館という場で感動を共有する。一人ではないことを実感する」「知らない国を見て、その国に生きることを体験する」など独自の視点から語っていただき、山田洋次監督の作品や映画精神について裏話や笑いを誘いながら、参加者は興味深く聞いていました。

 

2日間にわたって行われた上映会では、「ハーモニー心をつなぐ歌」「八月の狂詩曲」「蜂の巣の子供たち」「陸軍」「故郷よ」「約束」「パッチ・アダムス」の計7本を上映し、初日は大変な雪で来場者数も心配していましたが、例年通り、毎年来られている常連の方や、映画好きの参加者が楽しまれていました。

 

ご協力いただいたアンケートでは、「昔観た映画をまた映画館で見れ、うれしかったです」「大変良い企画なのでもっと広く宣伝した方がいい」「毎回、他では見られない映画をありがとうございます」など、ありがたいお言葉もいただきました。今回のアンケートを参考に企画をしていきたいと思います。

 

第14回人権を映画で観る上映会

 第14回「人権を映画で観る上映会」が3月1日から3日までの3日間、ウィルあいちと今池ガスビルホールを会場に、延べ800人を超える参加者で開催されました。この上映会は、人権の視点から映画を捉え、映画を通じて人権と民主主義をともに考え合い、映画文化の発展に寄与しようとする企画です。

 1日に行なわれた前夜祭では、初めに丹波正史代表より主催者挨拶があり、「今回の上映会は福島の震災、原発の問題を踏まえ、一つの映画を選定する基準として、困難を乗り越える映画を選んだ。映画を通じて、これからの生き方に活かしていきたい」と挨拶をしました。続いて、映画評論家の石子順氏が「困難を乗り越えさせる映画たち-新藤兼人監督を見つめて」と題して記念講演を行い、「学生のとき先生に民主主義を感じる映画を観なきゃダメだと言われて、新藤監督の映画を観るきっかけとなった」と新藤映画との出会いを話され、新藤監督について、「映画のすばらしさを広げた人。主要監督作品を観ても、独立派で困難を乗り越えた監督であり、原爆告発、反戦、社会派を貫く人権擁護監督であった」と新藤監督を中心に熱く語られました。質疑応答の時間では、新藤監督や女優乙羽信子氏などの裏話なども話され、とても興味深い講演となりました。

今池ガスビルで行なわれた上映会では、「チェリノブイリハート」「白いカラス」「事件」「やがて来たる者へ」「一枚のハガキ」「松川事件」「人生ここにあり」の計7本を上映し、毎年来られる常連の方をはじめ、高齢者や家族連れなど、たくさんの方に来ていただきました。特に「一枚のはがき」は、今回の上映会で一番多くの鑑賞者で、来年も上映して欲しいと言われる方もいるなど大変好評でした。今回の上映会は「困難からの挑戦」をテーマで開催し、参加者からさまざまなお言葉をいただき、私たち主催者にとって大きな自信となりました。

 ご協力いただいたアンケートでは、「毎年1回でなく何回か上映会を開催してほしい」「とても内容の濃い上映会で企画が大変良い」など貴重な感想をいただきました。また、ある高齢の方からは、「もっと若い世代の方々にも参加してもらえるといいのにね」などの声もかけていただき、次回の課題も見つかった上映会でした。

 次回もさらにたくさんの方、また幅広い世代の方に参加していただけるように検討し、期待に添えられる上映会にしたいと思います。

第1回から第13回までの上映作品などをまとめた記録です。
人権を映画で観る上映会の歩み.pdf
PDFファイル 107.5 KB
第14回人権で映画を観る上映会アンケート
第14回人権を映画で観る上映会に参加した人から寄せられたアンケートです。
第14回人権で映画を観る上映会アンケート.pdf
PDFファイル 274.3 KB
第15回人権を映画で観る上映会
第15回人権を映画で観る上映会のチラシ
第15回人権を映画で観る上映会.pdf
PDFファイル 2.0 MB